施工事例
新旧の住まいが入り混じる住宅地に計画されたシンプルな住まい。
東側が前面道路、残りの3方向は既存住宅が建っており、敷地の規模も住宅と駐車場を計画するとそこまで余裕がありませんでした。
決して恵まれていると言い難い敷地に対して、唯一西側の隣地のみ隣の家に窓がないことがわかり、プライバシーを優先した北西の角にリビングを配置としました。
大きな掃き出し窓は西側に配置してありますが、隣の家にとっても裏になっている不思議な空間は、遠くに視線が抜けることで開放感を感じられます。
一般的に嫌われる西日ですが、隣の家たちがうまく影を作ってくれるため、年間を通して直接差し込む時間は長くありません。
また、キッチンから見える天井ギリギリにつけたFIX窓は北側を向いており、年中安定した柔らかな光を届けてくれると共に、隣の家の緑が借景として楽しめます。
一般的には不利とされる西側と北側ですが、今回のように敷地条件を読み取り丁寧に設計していくことで心地よい空間を作ることも可能です。
内装、外装ともにシンプルな色味ですが、外壁は塗り壁、内装の一部にはポーターズペイントと言うコテムラのあるような素材を採用することで、人の手仕事が見える味わいのある仕上げにしています。
加えて、油はねが起きるようなIHの隣の壁は、一般的にはキッチンパネルと呼ばれる工業製品が採用されますが、あえてタイルを貼ることで質感のある仕上がりとしました。
シンプルに見える中でも、機能性を保ちながらこだわりの素材を用いることで、愛着のある住まいに仕上がります。
もちろん、デザインだけはなく断熱等級6以上の高性能や、水回りを一直線にまとめて玄関やLDKと回遊できる動線にする等、性能的な居心地の良さと家事が楽になる機能性も担保してあります。
床と壁との見切り材である巾木。
壁と窓との見切り材である枠。
見切り材を細く、小さくするのは少し手間のかかること。
でも見切り材の存在感を無くすことで、シンプルで美しいデザインになる。
また、窓の切り取り方にも配慮し、光や風景を取り込みながらプライバシーを保つ位置に計画しています。
説明されないとわからない些細な工夫かもしれませんが、それが当社のデザインの工夫であり、シンプルで美しい空間づくりのポイントです。
住宅概要 |
注文住宅 |
土地面積 |
199.64㎡(60.35坪) |
建物面積 |
115.92㎡(35.07坪) |
建築地 |
石川県白山市 |
UA値 |
0.34 |
C値 |
0.05 |
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