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断熱性能は、暮らす人たちの健康や快適を守るために必要不可欠なものです。
そもそも断熱性能は、住まいの保温能力を表しています。
断熱性能を実感できる身近なものは、魔法瓶の水筒です。
魔法瓶が熱い飲み物を長時間保温するように、住宅の断熱性能が高いほど、外気温の影響を受けにくくなり、室内の快適な温度を保つことができます。
そのため適切な空調計画と組み合わせることで、少ないエネルギーで快適な室内環境を実現でき、省エネルギーな暮らしも実現できます。
日本には、通称「断熱等級」と呼ばれる断熱性能を表す指標があります。
正式名称は「断熱等性能等級」で、等級4から7に分類されています。
・等級4
2025年4月の法改正で義務基準になります。これが現在の最低限の断熱性能の基準です。
・等級5:
2030年には、この基準が義務化される可能性が議論されています。
・等級6:
等級4に比べて暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減できる基準です。間取りや空調計画次第では、一般的なエアコン1台で家全体を冷暖房することも可能になります。
・等級7:
等級4よりも暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を約40%削減できます。特に冬場に十分な日射取得があれば、暖房を使わなくても快適に過ごせる可能性があります。
弊社では、断熱等級6を標準仕様としています。
その理由は以下の通りです。
等級5は2030年に義務化される可能性があります。
そのため、将来を見据えた持続可能な暮らしを提供するという弊社のコンセプトから、将来の最低基準になる仕様は提供したくないと考えています。
等級7は非常に魅力的な性能基準ですが、以下の理由から現時点での採用は見送っています。
・日本海側の気候
冬場の日射取得が難しいため、基準を十分に活かせない可能性が高い。
・コストの課題
高性能を実現するための工事費が大幅に高くなるため、コストと性能のバランスを保つのが難しい。
等級6は、快適さとコストのバランスが非常に優れており、持続可能な暮らしを提供するという弊社の理念に最適な選択です。
工事費は多少高くなりますが、省エネで電気料金が安くなるため、20〜30年かけて電気料金の差額で元が取れます。
要はイニシャルコストをかけて、ランニングコストが安くなり、一定期間を過ぎるとお得になるという時間軸で考えたコスパの良い提案であると考えています。
弊社では、断熱等級6を実現するために以下の仕様を採用しています。
・付加断熱
壁の内側にフェノールフォーム、外側にEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を使用。
・高性能な窓
樹脂サッシとトリプルガラスを標準採用。
・断熱玄関ドア
高性能な玄関ドアを採用し、家全体の断熱性能を高めています。
これらの工夫により、北陸の寒い冬でも快適な室内環境を実現しています。
実際に、弊社代表の自邸も同じ仕様で建てられており、寒い冬でも裸足で過ごせるほど快適です。
断熱性能は、快適な暮らしを支える大切な要素です。
弊社では、断熱等級6を通じて、お客様に快適で持続可能な住まいを提供しています。
これからもコストと性能のバランスを考えながら、お客様にとって最適な家づくりを目指していきます。